…TRIANGLE…

「あのね……昨日の放課後、穂香が…………皆がいる前で制服脱がされそうになって……」


「はあ?」

 俺とナツの声が合わさった。


「脱がすって、なんでそうなった? そこに誰がいたんだよ!」

「穂香がそんな目にあうなんておかしいだろ? 美咲ちゃん、もっと詳しく話て!」


 俺たちが詰め寄ると、美咲ちゃん驚いて一歩後退りした。

 女子の関係って複雑であまり関わらないほうがいいって思ってた。

 穂香は幼稚園の時から俺たちと一緒だったから、女友達は少ないんだ。それでも、美咲ちゃんみたいな友達ができて安心してた。

 だけど、試合の時に少し離れた席に座る穂香を見た時に嫌な予感はしていた。もっと、はやく何かしてればよかったのに……俺は自分のことしか考えてなかった。



「……男の子とかいる前で……ホースで水かけられて……」


「ホースで水って……なんで、穂香が……」


 ナツの顔色が真っ青になる。俺も多分同じ顔してる。


「昨日の夜から連絡とれなくて、今朝も学校に来てないから、隼斗くんとナツくんには絶対黙っててって言われてたの……でも、私……ごめんなさい。何もできなくて……」


< 204 / 254 >

この作品をシェア

pagetop