メイド in Trouble!!!

奴隷ではありません。

―――――


「あっ、玲央さまよ」

「亜紀さんも一緒だ」

「きゃー、神宮寺兄弟が揃って登校?!ちょーレアじゃない?!」

「…え、何あの子」

「どういうこと?」

……うん、視線がいたい。

神宮寺家で家政婦を始めた、翌朝。あたしは、いつもと違う通学路を通って学校へ向かっていた。

あたしの両隣には、亜紀さんと玲央さま。同じ家に住んでいて、同じ学校に向かうのだから、当然と言えば当然なんだけども。

亜紀さんが「一緒に学校行く!」って駄々をこねるから、仕方なく了承した。ここまではまぁいいとして、オマケに玲央さままでくっついてきてしまうなんて、考えてなかった。

この二人、うちの学園ではかなりの有名人らしく、あちこちから噂され、指をさされる。しかも美形と名高いこの兄弟が並んでご登校というのは、周りの目から見て、かなり圧巻の光景なわけで。

そこにちんちくりんのあたしが間に挟まれ、並んで登校している。傍目に見れば、かなり不思議な状態だろう。

「それにしても…なんなの、この行列」

ぽつりとつぶやく。

あたしたちの後ろには、女の子たちのながーい列が連なっていた。絶えずきゃあきゃあ声をあげる大名行列に、そろそろうんざりしてきたのだけども。

「え。何って…いつもこんな感じだけど?」

しれっとした顔で答える亜紀さん。あたしゃもっと心穏やかに登校したいんですが。

「あのー、明日からみんな別々に登校しません?」

「えー、やだ!俺はメイコちゃんと一緒がいい」

いや、だから、抱きつくな!ほら、女の子たちが見てる。これ以上騒ぎを大きくするんじゃない!

「こんなんが毎日続いたら、耳が変に…。ねぇ、玲央さま?」

「あ?そのうち慣れるって」

「えぇー…」

これまたしれっとした顔でいう玲央さま。っていうか、あんたまで一緒に登校する必要なくないですか?
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