メイド in Trouble!!!

パンチラは業務にありません。

―――――

めまぐるしい一日を終えて、ようやく神宮寺家へと帰ってきたあたしは、買い出しの荷物をキッチンカウンターに置くと、さっそく割烹着を着込む。

ご飯の支度の前に、軽くお風呂掃除して、お湯を張っておかないと。あたしは靴下を脱ぐと、お風呂場へと向かった。

「……ん?」

お風呂場へ向かったあたしは、すぐに異変に気づいた。浴室から、シャワーの音。それから、うっすらと響く、人の声。

誰かがもう入ってるなら、お風呂掃除はできない。あたしが掃除を諦めて立ち去ろうとした、そのとき。

「んっ……はぁ…あっ」

……ものすごーっく聞いては行けない類の声が、甘ったるく高らかに響く。そして脱衣所には脱ぎ散らかした2組の制服。それから、下着。

どう見ても、女物のそれに、あたしの頭は混乱した。

とにかく急いで早急に迅速に一刻も早くここを立ち去らねば!!

そう思って、音を立てないようにその場を立ち去ろうとしたのだけど。

がちゃ。

背後で扉が開く音が聞こえた。

「ひいっ」

「あれ、メイコちゃん」

背後から、聞き覚えのある声がする。それは、いつも通りのひょうひょうとした響きだった。

「あ、あ、あき……さん?」

振り向く事ができない。っていうか、振り向けるワケがない。だって、きっと、お二人とも全裸ですし。いろいろとあんなことやこんなことをなされていたわけですし!!

「あ、お風呂の掃除?」

「ええ、まぁ」

あたしは後ろをむいて固まったまま答えた。

「だれ?この子?」

知らない女の子の声が問いかける。

そりゃそうですよね。ナニをした後の脱衣所に、割烹着の女子高生が現れたわけですから。

「ああ、うちのメイドさんだよ」

こともなげに答える亜紀さん。女の子はふーん、とひとことつぶやいただけで、特に騒ぎも怒りもしない。

「す、すいません。使用中とは知らなくて…」

あたしは混乱する頭で、なんとか言葉を紡ぐ。

「いやいや、こっちこそ。夢中で気づかなかったよ」

夢中って。ナニにですか?

「あ、そうだ」

亜紀さんはそうつぶやくと、そうっと背後に近寄ってきて。

「この後、メイコちゃんも、一緒にどう?」

耳元で、囁いた。

「え、えんりょしておきます!!!!!!」

あたしはそう叫ぶと、勢いよく脱衣所から逃げ出したのだった。
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