猫とボク。
ご機嫌伺い
 タマに彼女が出来てから、早一週間。
 浮かれてラブラブ生活満喫中かと思いきや。

 タマの様子がおかしいことに気がついているのは。
 どうやらボクだけらしい。

 例えば。
「……なあ、アゲハ」
「なに?」
「……ううん、なんでもない」
 こんな、妙な会話が繰り返される。 
 夜中もベッドに登ってきては、無理やりボクの布団の中にもぐりこんでくる。
 ゴソゴソして心地の良い場所を探したあと、ボクにもたれて喉を鳴らして。
「おやすみ、アゲハ」
「……はい、おやすみぃ」

 さてはジジにフラれたかと様子を伺ってみたけど。
 相変わらず
「タマさん」
「ジジ」
 と、語尾にハートマークがつきそうなくらい、甘ったるい呼びかけで会話をしているし、喧嘩をした様子もない。
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