としサバ
20話 持ち物検査
 葵は結婚式が終わったので、雫が行動する前に、行動しなければならないと考えていた。

 1時間目の授業が終わった。
 葵は雫の行動を目で追っていた。


 雫がトイレに行くのか、教室から出て行った。


 「今だ」


 葵はみちるとリンに合図をしてから、急ぎ足で雫の席に近付いた。

 みちるとリンが葵の周りに立って、皆からの視線をさえぎる。

 葵が雫のカバンの中に手を入れた。


 「OK」


 葵は雫の携帯を探し出し、二人に左手の親指と人差し指を丸めてサインを送った。

 3人は、何事も無かったような顔をして自分の席に戻った。


 「先生に言えるもんやったら、言うてみ」


 葵がほくそ笑みながら、独り言を呟いた。


 昼休み時間になった。
 
 雫は昼食を食べてひと息すると、午後の授業の準備をしようと思った。



 
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