としサバ
30話 遺書
 自分なりの家族との別れは終わった。

 雫は自分の部屋に戻った。
 机の上に便箋、封筒とボールペンを用意する。

 遺書は2通、書くつもりでいた。

 1通は家族宛に、もう1通は学校宛に。


 

 パパ
 ママ    へ
 お兄ちゃん
 
 今まで家族のひとりとして、かわいがってもらって、ほんとうにありがとう。雫は今野の家に生まれてきて、心からよかったと思っているよ。こんど生まれかわったとしても、やっぱり今野雫がいいな。

 
 パパのこと
 大好きで、とっても尊敬しているよ。家族のために一生けんめいに働いてくれて、感謝しているよ。私が大きくなったら、パパみたいな人と結婚するのが夢だったの。ほんとうよ。


 ママのこと
 やさしくて、私のあこがれだったわ。もっと、ママから料理を習いたかったな。肉じゃがをマスターできなかったのが心のこりよ。花がいっぱい咲いている遠いところへ、今から、行ってきまーす。ママ、泣かないでね。


 お兄ちゃん
 わたしのりそうのタイプは、はずかしいけどお兄ちゃんだったの。信じられないでしょう。いつも話し相手になってくれて、ありがとう。ほんとうに感謝してるよ。では、永遠にグッドバイ。


 わたしなりの考えがあって、死ぬことに決めました。わがままを言ってごめんなさい。長い間、ほんとうにお世話になりました。


 ありがとう。

 大好きなパパ、ママ、お兄ちゃん、 さようなら。      



 雫                  



 
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