としサバ
37話 Xデー
 雫はその夜、自分の部屋で朝夕新聞の夕刊を見ていた。

 第一面には、1週間の天気予報が掲載されている。

 明日から3日間は、晴れ、晴れ、晴れのち曇りマークが付いている。


 Xデーは晴れの確立の高い明後日を選ぼうと、雫は考えていた。


 雨の日や、曇りでは、テレビ映りが、イマイチである。
 同じテレビに映るなら、テレビ映りの良い晴れの日。

 そう考えて、雫はXデーを晴れの日に決めたのだった。


 あくる日、1時間目の休み時間、雫は保の席に近付いて行った。


 「吉岡君、あれ、決まったよ」
 「いつなの」

 「明日の放課後よ。吉岡君は運動場に出て、校舎を見ていてね」

 「分かった」


 「うまく行ったら、あれしようね」
 「うん」


 そう言うと、雫は自分の席に戻って行った。
 保は雫の後ろ姿をチラッと見た後、黒板に目を移した。


 (うまく行ったら、あれしょうね)


 保は雫の言葉を思い起こすと、少しだけポーと頬を赤く染めた。





 
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