としサバ
 「へえ、敵もなかなかのものだね。秘密兵器を使って連絡を取り合うとは」
 
 歩が敵の動きに感心している。

 「でしょう。あきれるでしょ」
 「いよいよ結婚式か」

 「それも、模擬結婚式よ。関西の人は、クレイジーよ。何を考えているのか、さっぱりわからない。関西弁を使うから、頭が変になっているのよ」 
 
 「関西の人間だって、いい人間は幾らでもいるよ。僕の友達なんか、皆すごくいいよ」

 「そんなに関西びいきなら、お兄ちゃん葵と結婚すれば。そしたら、私は絶交よ」


 「すぐにムキになるのだから。それより、チャンス到来じゃないか」


 「何がよ」


 雫がチャンス到来の意味を歩に尋ねた。




 
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