としサバ
15話 待ち合わせ
 運命の日曜日がやって来た。


 雫は朝から、憂鬱であった。

 (お礼なんかするって、言わなければ良かった。まさか、逢いたいなんて言うとは、思ってもみなかったもん)


 キリマンがどんな人か知りたい。
 そんな、興味はあった。

 だけど、逢えば、自分が小学生である事がばれてしまう。
 到底、逢うことは出来ない。


 その日は、朝からよく晴れていて、野球日和であった。


 雫は走って行って、ドアポケットから朝刊を抜き出した。


 急いでテレビ欄の午後6時台を左から右へ。
 テレビ朝夕に、雫の目が釘付けになった。


 「あった。ラッキー!」


 そこには、プロ野球 甲子園球場 阪神×中部 解説 何々と書いてある。



 「万歳、これで、行けるわ」



 雫は両手を3回、勢い良く上に上げた。そして、ニンマリと微笑んだ。



 
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