Secret Prince[短篇]

Yuji

◆Side Yuji
 2話目







「裕二っ!プール行こっ♪」


「は?」








まだ肌寒い4月。
馬鹿なことを言い出した俺の彼女。







久々の1日休み、家でゴロゴロしたいと思ってた俺。






「…めんどくせぇ」







タバコに火を付けながら、テレビのスイッチを付ける。





「ゆうっ!行こうよー」


「あー?」







小さい体で俺に体当たりする梨華。




弱っ…








スルーし続ける俺に痺れを切らした梨華。







「…もう、いいっ!友達と行くもん!」






バシっと最後の一撃を俺に与えて、携帯を開く。







ったく。






「もしもし、奈緒ー?プール行かない?」









行ってやるよ、そう言おうと振り返った、



時には梨華はダイヤルを回してしまっていた。









「やったあ!え?健達も一緒?…別に良いけど」






ぴくっ
微かに聞こえた、健という男の名前。









友達?
男も一緒?
< 26 / 147 >

この作品をシェア

pagetop