Apasionado!2~俺様社長様の甘い誘惑~
映画館を出て
「恭介さん」
「ん?」
「手…繋いでもいいですか?」
珍しい。
コイツから手を繋いでもいいかなんて…
さっきのが怖かったんだろう。
コイツの手に手を絡めて歩き出す。
目についたカフェに入り
「好きなだけ食え」
「一個でいいです。晩御飯食べれなくなります」
フルーツタルトと紅茶、俺はコーヒー
「恭介さん」
「ん?」
「ごめんなさい」
「何も謝ることなんかない」
「違います」
「ん?」
じゃあ何謝ってるんだ?
「映画…つまんなかったでしょう?」
「……」
「よく寝てましたもん」
「あ、あぁ」
「恭介さんの云うようにミステリーにすればよかったですね」
「そんな事ねぇから」
「……」
「正々堂々じゃんけんして決めたんだから」
「は、はい。フフフ…恭介さん、じゃんけん弱いんですね」
「弱くない!偶々だ」
「へぇ~」
タルトを美味そうに食いながら
「じゃあ次もじゃんけんで決めましょうね」
やけに嬉しそうだ。
面白くねぇ。
コイツからタルトを取り上げ、残りを食ってやった。
「恭介さん…ひど~い」