私の恋愛条件


暑い季節──


気が付くともう夏がきていた。


毎日のようにミンミン蝉が鳴く。



「あーつーい、暑い!!」



いつも通りの屋上。


暑いし暇すぎる。


屋上は景色は良いんだけど、何もないし。



「冷たっ!!」



私ね頬にひんやり当たる缶ジュース。


大好きな炭酸ジュース!!



『喉、渇くだろ?』



光舞は私に缶ジュースを渡し、そばにあるベンチに座った。


コーヒーだ…──


大人だなぁ。



「ありがとう」


『いいよ別に』



私は光舞の座ったベンチに一緒に座った。


少し間のある微妙な距離感。


手を伸ばせばすぐ当たる近い距離。


それが何だか気まずい。



「ねぇ、サッカー部入らないの?」

『入る気ない』



即答だし!!


光舞は眩しく照らされているサッカーボールを見つめた。


最近よくこの光景が目に入る。


本当はやりたいんじゃないの?


そう思うけど、言葉にできない。



「鈴空もいるし丁度サッカー部、今部員少ないって言ってたよ?」



前、鈴空が部活帰りの時テンション低くくて、理由を聞いたらその事だった。


人気あるスポーツは野球とバスケ、それに今はテニス…


それだけだって笑って言ってた。



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