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直前

幸せ


 「歩斗ー、迎えに来たよ。」

 『あ、愛華?』

大人の女の人の声がして、すぐにドアが開いた。

 「歩斗ママ!?
  なんでいるの?」

帰国は秋って聞いてたのに…。

 「帰国が早まったの。
  あと1ヶ月は日本にいられるかなぁ。」

 「そうなんだ。」

ママはこのこと知ってるのかな?

 「やべ、愛華来てんじゃん!
  いってきまーす!」

 「いってらっしゃい!!」

いつもより整った髪形の歩斗。

よれよれだったシャツもアイロンがかかってる。

 「…なんか変な感じ。」

 「え?」

 「歩斗がちゃんとしてる。」
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