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また一歩


…大庭さんとネットをはさんで立っている。

初めて試合をしたのは去年の新人戦。

こんなに上手い人がいるんだと思った。

あたしは負けた。

あと一歩ってところで負けて…。

すっごい悔しくて…。

あの気持ちは忘れていない。

忘れられるわけがないんだ。

あんなに悔しい思いはしたくない。

絶対に…日花梨先輩を笑顔にする。

そんな思いで今までやってきた。

…あたしは今ココにいる。

一歩一歩、一球一球に色んな思いが詰まっている。

 「あたしは大庭さんを倒しにき
  ました。」
 
ラケットを握る手に力が入る。

毛穴から汗が吹き出そうだ。

…宣戦布告。

 「あたしは大庭さんに…
  勝ちにきました!」
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