続・俺様王子の初恋





葵と付き合いだしてから
一日が早く感じるようになった。





「 ・・・・もう、夏だな 」





5月半ばの気温は、少し高い。
俺にもたれ掛かっていた葵に
そう言うと、





「 葵? 」





目を閉じた葵は、ドサッ、と
俺の膝へ倒れこんできた。
付き合う前も、付き合ってからも
俺達は変わらず放課後を旧校舎の
保健室で過ごしている。





葵の寝顔はもう何度も見てきたけど、
何度見ても、見惚れる。





「 ・・・・やべぇ 」





本当に、”地味でよかった”と
こんなときに安心する。






< 15 / 365 >

この作品をシェア

pagetop