続・俺様王子の初恋

約束






「 ・・・いい加減泣き止めよ 」





あれから、先輩は今まで通り
家の出入りも自由になって
放課後もこうして会いに来て
くれるようになった。





校門前に居た先輩を見つけて
玄関から急いで出てきたものの、
先輩の制服についていたはずの
ボタンが一つもない。





「 葵・・・人が見てる 」


「 そんなのどうだっていいです! 」


「 ・・・・よくねーよ 」





先輩の胸板を”バカ”と何度も
叩けば、その手を先輩が掴んで





「 その顔はまじで見せたくねぇから
  早く泣き止め、バカ葵 」


「 ・・・・・ッ 」





頭を撫でられて、内心溜息を零した。
うまく誤魔化された気もする、けど
・・・・・・・・正直、嬉しい。







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