先輩と後輩の恋愛事情


そんなことを思っていると


「実梨、体調大丈夫?」



と心配そうに訪ねてきた。



心配…してくれてたんだ…。


「うん、大丈夫」



微笑んで返事を返す。



意外と何も考えていなさそうなのに、不意に心配されると何か嬉しい…。



「実梨、顔が赤いよ?
熱あるんじゃない?」




そっと額に手のひらをつけられる。




こんなの慣れてたはずなのに…。




何か恥ずかしくって、ドキドキする…。



この電車にあまり人がいなくてよかった。



いや、よかったのは私の心かな…?



ドキドキするってことはまだ私、佳のことを好きでいられたんだ…。




今日は久しぶりのドキドキだった。





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