強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「ほら」

言って。と言わんばかりに柳瀬は百合香の背を壁に押し寄せて、求めた。
百合香は言いづらそうに震えながら声を発する。


「・・・やな・・せさんが、すき・・・です」


「え?なに?」
「き、聞こえてる癖にっ」
「もう一回聞きたい」
「…柳瀬さんが、好きっ!!」

嬉しそうな顔をして柳瀬は百合香を見ると、軽いキスをおでこに落とした。
そしてそのあとには小さく、『俺も』と言って。



もうなんの涙なのかわからない、視界が滲んで見えている。けれど、今、この瞬間の柳瀬をしっかりと目に焼き付けておきたい。
自分を優しく見てくれるその綺麗な瞳を。その頬笑みを。
胸にある“桜”が一層艶めいてみえた。











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