強引な次期社長の熱烈プロポーズ

２．知らない名前知りたい事実

＊


ブーッブーッブーッ

遠くでいつものアラームが鳴っている。
昨日は遅くに寝たせいか、スッと目を開けることが出来ないでいた。

「ん…」

（起きなくちゃ。あ、でも今日休みだった。じゃあもう少しいいかな…）

百合香は半分夢心地で布団を引っ張って寝返りをうった。


ギシッ


目の前でベットが沈み、音を立てた。
百合香が不思議に思って重い目をゆっくり開いた。


「おはよう」


その声で一気に目が覚める。
そして勢いよく体を起こすと、その声の主を見た。

「あっ、お、おはようございます…」

（そうだった。ここは家じゃない。智さんの家。
私、昨日迎えに来てもらって、泊まって·········）

その先のことを思い出すと百合香は急に恥ずかしくなってまた布団に潜ってしまう。


「何してるの」
「····こ、心の準備が」
「それもまたいまさらだけど」
「だって」


いつまでたっても布団から出てこない百合香に痺れを切らして柳瀬は座っていたベットから立った。


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