強引な次期社長の熱烈プロポーズ
(どうして、そんな顔をするの。)


百合香は何も言えずにただ二人の様子を見ているだけ。

「この間は本当にありがとう!」
「いや、いつものことだろ?」
「ふふ。そうね」

きっとあの日の夜のこと。
『いつものこと』と言うくらいのことを、百合香は少しも知らない。


すると、その“杉浦”は百合香を見て、にこっと笑いかけてきた。


「この方が、柳瀬くんの―――?」
「ああ」


(こんな魅力的な人ともしも何かあるのなら、私には到底勝ち目なんか――――…)


「こんばんは。いつもお世話になってます」
「え?あ、はい…」


(そんな挨拶するくらい、智さんと親しいんだ。
どうしよう。目を逸らしちゃう…うまく笑えない。)
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