強引な次期社長の熱烈プロポーズ


ガチャ、バタン

電気をつけて靴を脱ぎ、数歩歩き進んで床に寝転がる。
顔を横に向けるとテーブルの上のメモが視界に入りこんできた。

ゆっくり起き上がり座りなおすとそのメモを手に取る。


(本当に、うちにきたんだ。
じゃぁやっぱり今日、本当に柳瀬さんとキス…)


そう回想した途端胸が高鳴り、あの感触や匂い全てを思い出して…。
どうしてこんなに体が熱くなるんだろう。
綾と飲んだせいじゃないのは自分でもわかってる。

百合香はしばらくメモと向き合い今日のことを反芻していた。







ガタッ


その後メイクも落とし、うとうとと睡魔に誘われた時にベランダから物音がした。

「…なに。今の…空耳?」

お酒も入り、眠気が襲ってきていた百合香の耳にはその音が遠くに聞こえ、程なく夢の世界へと誘われるのであった。

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