強引な次期社長の熱烈プロポーズ
一人暮らしの朝なんて、質素なものだ。
というよりもただの面倒くさがり。朝ごはんは調理しなくても食べられるようなサラダやパンで終わり。コーヒーすらも余裕のある時位しか淹れて飲むことをしない。

今日は特別ひどくて、パンもなければ野菜もない。
百合香は小さなヨーグルトを見つけてそれを頬張った。


(13時か…きっとなにかランチとるよね。
桜井さんが突然定休日に誘ってくれるなんて、なんだか嬉しいな。)


社会人になってしまうと、学生時代の友人とはなかなか会うこともできず、一般企業に勤めている友人なんかとはほぼ休日が合わない為、頻繁に会うこともない。

かといって、寂しいか、と聞かれても最近ではそれが普通になっている。
だからこそ余計に予定の決まっていなかった休日に突然のお誘いを受けるのは嬉しく感じるものだった。



午前中の時間はなぜだか休みでもあっという間。

百合香は遅刻しないように早めに家を後にした。

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