強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「酔っ払いは困るな。いつもこうだ」


そんな重くなった空気を打開したのはやっぱり柳瀬だった。
笑いながら、呆れたように言った。


「あ、ねぇ?いつもこうなんでしょう?本当に申し訳ないわ!」


まどかが笑顔を作って話を逸らした。

百合香は公衆の面前でプライベートなことを聞かれることが回避された安堵と、この話の真実を知るチャンスを失ってしまった後悔が交錯する。


「あ、明日はどこかへ行く予定なの?」


さらにまどかの一言で完全にさっきの話題は葬り去られた。
勿論、それはまどかの機転なのだから、百合香は何も言えない。


「明日は···」
「明日は行くとこ決まってるよ」


百合香が返事に詰まると柳瀬が迷わずにそう言った。

(あの本屋にはもう用はない筈。
智さんから“桜”をプレゼントされたのだから。じゃあ明日はどこへ行く予定なのだろう?)


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