強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「柳瀬さん、元気?」




そう聞いてきたのは坂谷だった。



「はい。変わらずですよ」



百合香は相変わらず万年筆に囲まれていた。



「ちぇー。オレも彼女欲しいな」
「また、そんな。坂谷さんこの間女の子に告白されたの断ったって聞きましたよ?」
「あ…知ってた?誰でもいい訳じゃないんだ」


そう言って見られるから百合香は困る。


「ははっ、冗談!柳瀬さんに怒られる!
柳瀬さんが異動してもうすぐ1年かぁ」


「…そうですね」


百合香と坂谷がそんな話をしていると、足音が近づいてくるのに気がついた。

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