強引な次期社長の熱烈プロポーズ
その一言で、数秒後に店内中に響き渡る3人の大声があがったのは言うまでもない。


幸い開店まもなくでお客様は誰もいなかったからよかったけど…
逆に静かな時間だから全館に聞こえてたかも…


でも、わざわざ今ここで宣言しなくてもいいのに。
智さんは本当にクールに見えて独占欲が強いんだから。



百合香はそんなことを思いながら視線を手元に落とした。


婚姻届はボールペンで記入しなければならないけれど、近い将来神前で誓約書にサインを書く機会を与えて貰えるのならば――



その時はお気に入りの“桜”で名前を書きたい。




インクは勿論、“ブルーブラック”で。









* おわり *







< 497 / 610 >

この作品をシェア

pagetop