強引な次期社長の熱烈プロポーズ

後編



「ただいま」
「おかえりなさい」
「お父さん達、何時頃帰ったの?」
「14時の新幹線に乗りました」


ちょうど夕飯の支度を終えてエプロンを外しながらキッチンを出てくる百合香を智は抱き締めた。


「えっ?!ちょ···智さん?」
「···お疲れ様」
「は、はい。いや智さんも···」
「俺は疲れたって言うより違和感があったな」


百合香は智の腕の中に収まったまま、たった1日振りの智の香りと温もりを感じて嬉しさと緊張感とでどうしたらいいかわからなかった。


「い、違和感て…?」
「···ここに百合香がいないと変な感じがするんだよ」


(それって…)


「智さん、私に会いたかった··?」


自分の腕の中から上目遣いでそんなことを口にする百合香を見て、智が黙っていられるわけがなかった。


「君は違うの?」


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