SAKURA SAKU
『カノは理系っぽいな。』
そう言うと、カノはフフッと笑った。
『当たりー。理系の方が得意。』
そう笑うカノは無邪気な少女にしか見えなかった。
『さてと……アタシは早退しなきゃ。翔唯、ちゃんと授業、受けなね?』
カノはそう言って、歩き出した。
早退……?
『カノ!早退って……何か用事?』
そう話しかけるとカノはクルッと振り返って、少し顔を歪めた。
『病院…いかなきゃいけないんだ。』
カノはそう言って、また、歩き出した。
カノはどこか淋しそうな顔をしていた。