特上男子
★第一章★

中の上

高校に入学してから約三ヶ月が過ぎた。


高校生活には慣れたけど、ここ都会での生活にはまだ慣れない。


言葉遣い、人の多さ、満員電車……とにかく色々慣れない事だらけ。


私は福岡で生まれ育った。


やけど親の仕事の都合で高校から東京で生活することになった。



『ぼぉっとしてどうしたの?』

「ライトの髪の毛はいつ見ても綺麗やなぁって思って」

『志保の髪の毛も綺麗だよ』

「私は染めとるけどライトは地毛でこの色やろ?羨ましい」



前の席に座っている葛城 ライトは学年一……いや、学校一美形かもしれない。


その美貌のせいで王子と呼ばれファンクラブまであるらしい。


そんなライト王子と仲良しこよしな私は桂田 志保。


仲良くなったのもたまたま最初の席で上下になったから。



「グヘッッ」

「そんなにライトと喋ってたら彼氏がヤキモチやいちゃうわよぉ」

「お、重いぃぃぃ」

「しょうがない、どいてあげる」



後ろからのし掛かるように体を乗せてきたのは同じクラスの川瀬 凛子。


高校に入って初めてできた友達で、一番仲のいい友達。


仲良くなったきっかけは……よく覚えてないや。






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