特上男子
あんなに見晴らしのいい屋上を立ち入り禁止にするとかありえんし。


まぁ万が一の時の事を考えてやろうけど。



『つーかお前彼氏いるじゃん』

「もう別れたしむかつくけん話は凛子から聞いて」



事情を知ってる凛子とライトは怒ったような表情を見せる。


自分の事のように考えてくれる二人。


なんて優しいんだろうと思う。



『もう泣かないで』

「これは嬉し泣きぃ!!」

『嬉し泣き?』

「凛子もライトも大好きっ」



いつの間にか私の涙拭き担当になっているライトは、笑いながらハンカチを顔に当ててくれている。


凛子は頬杖ついて大人っぽい笑みを浮かべている。


色っぽかです。



『俺の名前は入ってねぇのかよっ!!』



遥は突っ込みを入れつつ丸めた紙ナプキンを投げつけてきた。


その紙ナプキンを広げ鼻をかむとみんなに笑われる始末。



「遥も大好き!!三人とも大好きっ!!王子は愛しとるよぉぉぉ」

『うっさいっ!!』



引っ越してきたばっかりで、右も左も分からない私と友達になってくれた三人。


この高校に入って良かった。






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