特上男子
凛子に肩を叩かれ、指差す方を見ると正統派イケメンが携帯を耳に当てながら立っていた。



「あの人格好よくない?」

「あーうん、そやね」

「でもあっちの可愛い系の人もよくない?」

「あーうん、そやね」



お店を出てからずっとこんな感じの凛子。


格好いい人を見付けては指を差してわざわざ教えてくれる。


急にどうしたん?って感じ。



「いだッッ」

「人がせっかくイケメンアンテナ張り巡らせてんのにちゃんと見てんの!?」



いやいやいやっ!!


イケメンアンテナって何!?


てか肩痛いっ!!



「格好いいとは思うけど、さっきから何なん!?」

「新しい恋みつけるんでしょ?」

「うん」

「その為に物色してあげてるんでしょう」



なんじゃそりゃ!?


てか物色ってまだ続いとったん!?


私はもうとっくに諦めとったんやけど……。


凛子の頭ん中ってよう分からん。


その後も凛子の物色は続いたが、結局乗り気やなかった私は最終的に凛子に一発どつかれ、意識がブッ飛びかけた中凛子とお別れした。






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