年上の彼氏。

「質問とかあったら、なんでも聞いてください」


宮先生は授業を始める前に皆に向かって聞いた。

その言葉に反応したのは教室内のお嬢様方だった。

宮下先生はかっこいいし、興味をもつのも仕方ない。

『先生はお好きな女性など、いらっしゃるのですか?』


1人のお嬢様が突然そんな大胆なことを質問した。

すると、宮下先生は一瞬驚いて…

「あいにく、そのような人はいません。ただ、早く出逢いが見つかればいいなとは思っています」


と、眉を下げながら質問にやさしく答えた。

出逢いを見つけたいんだ…
あたしはその言葉に安心した。

いやいや、あたしはまたなんで教師にそんな感情を抱いてるんだろう…

自分が思ったことに呆れた。


「では、早速ですが授業を始めたいと思います」


そこからは、宮下先生のまだぎこちない授業が始まった。

初めてにしては、とても分かりやすい授業であたしにとっては良い時間になった。

最後に挨拶をすると、先生は教壇からあたしの名前を呼んだ。


「天宮寺さん!」


その一言に驚いたのはあたしだけではなく、教室にいた生徒全員が注目した。


「は、はいっ!」


あたしは突然のことに若干声がうわずってしまった。



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