年上の彼氏。

―柚留―


とは、言っても俺はまだ心の整理がついてないわけで…

一緒に寝るなんてまだ大丈夫な状態じゃない!

だけど…

こんなに不安そうな天宮寺さんを放っておくことなんて出来ないし。

俺はとりあえずベッドに入り端に寝た。

ベッドの脇に立って戸惑っている天宮寺さんの手を優しく引っ張った。


「…っ!!」


顔を真っ赤にして布団に引き込まれた天宮寺さんを優しく自分の方に引き寄せた。

一瞬、戸惑った天宮寺さんだったけど、安心感からか自分から俺の胸の方に近づいてきた。

一見、平気な素振りを見せてる俺だけど内心色んな感情が胸の中でごちゃ混ぜになっていた。

俺達は1つのベッドに体を抱き寄せあって寝ていた。
しばらくして、俺の胸に顔を埋めていた天宮寺さんが弱々しく口を開いた。


「…先生」


俺は顔を下に向けた。


「なんですか?」


「迷惑ばかりかけてしまってすみません…」


今にも泣き出しそうなか細い声。

軽く俺の服を握った小さな手は小刻みに震えていて…
それを見た俺はギュッと彼女を抱きしめた。


「迷惑なんかじゃないよ。俺が勝手にしてるだけだから」


この行動が例え間違った判断だとしても、俺は後悔はしない。

この子を守るためなら俺は間違った道をいける。

抱きしめられた天宮寺さんの手の震えはおさまった。

「ありがとうございます」

不意に、顔を上げ笑顔を見せた天宮寺さん。


「…っ!!」


その不意打ちにドキっとした。

赤くなる顔を隠そうと口元を手でおおう。

そんな俺の気も知らない彼女は安心しきったのか静かな寝息をたてて寝てしまった。

でも、俺は寝れるわけもなく理性を押し殺すのに必死だった。


はぁ…


こんなんで、これから大丈夫か…?



そんなこんなで初日の夜は過ぎ去った。



様々な想いを各々胸に抱えて…





おやすみ…


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