年上の彼氏。
†卒業式準備†



今は2月の中旬。

まだ冬で肌寒いからコートを着ての登校。


「もう、卒業式の準備しなきゃなぁ」


教室までの道のりの間、すれ違う人達と挨拶を交わしながらポツリと呟く。

この時期、生徒会は目が回るほど忙しくなる。

うちの学園は他の学校と違い6年制でしかも、途中で卒業したりする、ちょっと変わっている教育機関だったりする。

家の関係や、仕事の関係やら理由が様々な人がいっぱいいる。


「気を引き締めなきゃ…」


************


「と、いうわけで生徒会はこれから忙しくなりますが皆さん気を引き締めて頑張りましょう」


放課後、生徒会役員を集めて卒業式についてのことを伝えた。


「「はいっ!!」」


皆、声を揃えて返事をすると、早速仕事に取りかかった。

そんな中2人だけ、だらけたような声で返事をした。

「ちょっと…、なつこさんと湊。シャキッとしてくださいよ」


あたしは他のみんなが仕事をテキパキとこなしてる中、ソファに座っている2人の前に仁王立ちで立った。

「だってぇ〜…」


「だってじゃないです!」

あたしはなつこさんにハッキリ言うと、なつこさんは渋々と立ち上がり仕事を始めた。

なつこさんは会計だから、ただでさえ仕事量が多い。
そして、更に仕事量が多い副会長の役員さんは…


「アンタも早くやりなさい」


キッ、と湊の方に目をやると当の本人は…


「大丈夫♪俺は要領がいーから!!」


と、ヘラヘラして言った。
コイツは昔っからそう。

真剣な顔を一度も見たことない。

彼女だって、本気で好きになったことないって言うし…


「まったく…」


あたしは相手にするのが疲れて自分の仕事をし始めた。



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