契約の婚約者
「でも、改めて自分から言うのも……何て言えばいいのか……」


困っている奈央の顔はやっぱりかわいい。苛めるのはこれくらいにしてやろう、とやっと笑顔を彼女に向けた。


「もし、あいつが傷ついた顔でもしてたら、ドMの振りして私が慰めてやるわよ♪」


「もうっ!!」


「何よ?私にドMの振りができないって言うの?奈央の真似してりゃいいんでしょ?」


ドMの振り、できるかな?と心の中で呟く。


その前に、あの片桐が自分の前でそんな醜態をさらすとは思えない。


「ニューヨーク支社への異動のことにしても、片桐のことも、ちゃんと結論出してから行動しなさいよ?」


「うん……」



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