契約の婚約者
「広辞苑で引け」


「広辞苑って……やっぱオヤジだね。イマドキ、ウィキペディアでしょ?惜しいなぁ、顔は好みなのに……」


沙希の言葉に片桐が目を丸くする。こんな片桐の顔も珍しい。


「初めて聞いたな。お前が俺の顔を気に入ってたとは……」


「顔と身体が好きじゃなきゃ、セックスしないよ」


沙希は片桐の腕を解き、ベッドから身体を起こす。


「先にシャワー浴びていいよ」


「どうした、お前が先を譲るなんて?」


「朝食作って欲しいからね。私がシャワー浴びている間に作ってて」


「逆、じゃないのか?」


「何で私が作んなきゃいけないの?カタギリさんの方が料理上手でしょ?」


知りもしないのに沙希は断定する。


「全く、お前には適わないよ……」



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