Buonanotte!
殺し屋と少女
 夕暮れの路地を歩く。


お気に入りの黒いコートのポケットに冷えた手を突っ込んで、少し猫背の僕。




擦れ違う人は僕を振り返りはしない。



うまく溶け込んでいるだろ?

この世界に。



僕の大嫌いで大好きな世界に。



なるべく気付かれないよう。



何に?



―僕という存在に。―





誰に?




周りのつまんない人間に。





そう多分僕の正体を知れば道で擦れ違っている誰もが僕を振り返るだろう。


きっと拒絶し、否定するんだろう。








まるで僕は黒猫みたいだな。




お気に入りの黒いコートを翻して角を曲がった。



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