ねぇ、先生。




『ひよりごめん。でも、あたしはしゅんが大好き。これ以上二人がラブラブしてたらあたし…壊れちゃう。』

「自爆したんだね、私。相談乗った時、自分たちがこんな危機になることに対して背中押しちゃったんだね。」

『ひよりさ、俺のこと好きじゃないだろ?ゆかりんに聞いたよ。てゆーか、俺も見たよ、聞いたよ。…先生とイチャイチャしてるんだろ?』

「何よそれ。私はしゅんだけを愛してる。この世で1番に、誰よりも」

『嘘言わないでよ!見たのよ。しゅんが可哀想で…。今まで我慢してた想いが爆発して。ご飯粒取ってもらってて…。あんたはさ、鈍感すぎるのよ。何もかも。』




雨に濡れて、びしょびしょになってる。
それよりも泣いてる、私。
荒れたゆかりんも涙でびしょびしょ。




「もう…しゅん次第だよ。」

『俺は…ホントにどっちも大好き。でも…』

「しゅんって、いっつも優しすぎだよね。私と付き合ってるとき、普通にゆかりんのこと可愛いとか言っちゃってさ。すごく嫌だったんだよ。でも、しゅんの優しさって知ってたから。私が一番しゅんのこと知ってるから。だから、いいよ、もう。別れてあげるよ。しゅんのこと大好きだから、愛してるから。ゆかりんと修羅場なんて、したくないから。」




私はびしょびしょになったバックの中から必死に折りたたみ傘を探した。
そして、二人に渡した。




「仲良くあいあい傘して行きな。言葉が矛盾してごめん。それじゃぁ。」




最後に見たゆかりんは勝ち誇った顔をしていた。
しゅんは、大きな一粒の涙を流していた。




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