叶わない恋。
『夏希、たまには体休めろよ??』
今日は島先生が出張でいない。
だから今日の夏希の自主練は1人。
これは…チャンスだろ??
と、思った俺は素振りをしている夏希に声をかけた。
「わっ?!
なんだ…桐ちゃんか…」
夏希は俺の顔を見てなぜかイヤそうな顔。
お前はそんなに俺がキライなのか?!
あー俺、マジで泣きそうだ。
格好悪ぃ……
『うるせーよ。
毎日頑張ってるのはいいことだけど、
体壊されるのは困るからな。』
俺がベンチに座ると夏希は俺の隣に座った。
距離…近い…ぞ??
「大丈夫だよ。
ちゃんと食べてるし、
睡眠も十分取ってるし…
問題なし!!」
夏希はそう言ってニカッと笑った。
『そっか。
なら…いいんだ』
俺は夏希の頭に手を置く。
『ありがとな、夏希。』
そしてそう呟いた。
そのまま夏希に背を向けた。
「桐ちゃん!!!
こっちこそ、ありがとう!!」
夏希の声が聞こえた。
一気に顔が赤く染まる。
やべぇ…嬉しすぎる……