Dear…you
プロローグ

ピピピピピピピピ…!!

毎朝6:30に鳴り響く、うさぎの形の目覚まし時計。
小さい頃にお母さんに買ってもらってもう10年くらい使っているが、まだ一度も壊れたことのないそれは、今日もあたしに朝を知らせた。


「起きなくちゃ。」


眠たい目を擦って、僅かに光の漏れるピンク色のカーテンに手をかける。
カーテンを勢いよく開けると、薄暗かった部屋に光が差し込み、目を細めて外を見る。

ここから見える景色が、あたしは大好きだ。

マンションの12階。
広がる住宅街の奥に、青い海が輝きを帯びている。
この景色を遮るものは何もない。


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