美しいモノを撮りましょう
「ありがとう。お前にそう言われると、少し気が楽になるよ」

「うん…。でも先生は警察にそのことを言いに行ったんだよね? じゃあ犯人は…」

「そのうち捕まるだろう。彼の持っていたパソコンからも、証拠が出てくるだろうしな。…それにわたしの罪も」

「先生…」

「いくら情報を盗まなかったとはいえ、わたしのしたことも罪だ。彼と何ら変わらない」

「そんなっ…! …そのことも警察に?」

「ああ…。黙っているわけにはいかなかったからな」

タカシナは苦しそうに眉を寄せた。

「…先生も、裁かれるの?」

「どうだろうな? とりあえず解放はされたが…学校は辞めることにしたよ」

「えっ? 辞めるって…」

眼を見開くナツキに、苦笑を浮かべて見せる。

「もう辞職届は出してきた。今日から無職だな」

「やっヤダ! 先生を辞めるなんてイヤ!」

ナツキは堪らず立ち上がり、タカシナに抱き着いた。
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