私の本命
「そーゆーコト言うなよな」
「本当のことじゃん」
「そーだけど…」

サッカー部どうし、仲が良くて羨ましい。
原岡くんとすーさんは、いつも楽しそう。

「でも篠崎ってスゲーよな」
「…どこが!?」

急に原岡くんに褒められるとビックリしちゃう。
どう反応すればいいか解からない。

「普段寝てばっかなのに頭良くて」
「…それって褒めてる?」
「うん。羨ましい」

原岡くんは、いつもギリギリ100位以内をキープしてて、
サッカーと勉強の両立を頑張ってる。
うちにとってはそっちの方が羨ましい。
だってうちは…。

「…大丈夫?」

原岡くんに言われて意識が戻る。
なんかボーっとしてたみたい。

「大丈夫!!ちょっと考え事!」

もう忘れたいから。
思い出したりしない。

…そう決めたんだよ?自分。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop