緑の食事風景
晴天の爽やかさや
朝の空気の気持ち良さが理解出来る年齢でもなく

起きた直後は眠くて不機嫌だった私も

「良い天気だね」

とか

「気持ち良いね」

という母の言葉を聞いているうち

なるほど天気が良いと気持ち良いなと思うようになった。


何より、普段留守がちな母と散歩をするのが嬉しかった。


きっと母も嬉しかったに違いない。



公園内を少し歩き、桜の下のベンチに並んで座って

パンとカフェオレの朝食をとった。


公園内に人の姿は見えず

近くの道路にも車の往来がほとんど無かった為

静かな公園を、私と母で貸し切ったような状態であった。



食べている最中に1度だけ

「お外で食べると美味しいね」

と話し掛けられ

「うん」

と答えたきり、特に会話は無かったが

それは決して、気まずい沈黙ではなかった。
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