絶対裏校則
「な…浅倉慶様…?」

俺はブルッと一瞬身震いした。

そして今度は翼の方に目をやり、ニャッとしたかと思うと“ぷいっ"と目をそらした。

「何だ?アイツ」

翼はそう一言呟きガンを飛ばす。

「ぇえ~皆様に、お知らせがあります。知っている方達もいらっしゃるかと思いますが…今日から“裏校則”を開始したいと思います。」

「「う、裏校則!?」」

俺と翼は声を揃えて言った。

「ぇえ、そうよ。あなた達には秘密にしてた事だけど、みんなは知ってるわ。涼子、説明して」

「はい、麗華さん」

涼子は席を立ち、教卓に立った。

「みんな、ずっと黙ってたけどあたし副会長なの。何で一年のあたしが副会長なのかは今から説明するわ」

教卓に立つ涼子は、さっきまでのぶりっこ涼子とは思えないほどしっかりしていた。

「この何ヶ月間、あたしは慶ちゃ…浅倉慶様の監視役としてこのクラスに居ました」

監視…役…?俺の…?

「ふ…ざけんな!!俺の監視役だと?冗談じゃねぇ」

「慶様ごめんなさい。でも、もう決まった事なの。あなたは今日から“裏校則”を守ってもらいます。」

「裏校則って何だよ」

俺はもおこれ以上何を言っても無駄だと思った。

「ここで説明してもあなたは理解しないと思うわ。これを見てくれたら分かるわ」

そう言って“裏校則リスト”と書かれた紙を渡された。

「今日からそこに書いてある事を守ってもらいます。ちゃんと目を通しておいて下さい。それじゃこれで説明は終わり」

その言葉と共にホームルームの終了のチャイムが鳴った。

そして麗華と涼子も教室を出て行った。

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