絶対裏校則
教室を出てから急いで家に帰った。

翼の待つ…
俺の大切な場所に…

ガチャ――――


「ただいま!!」

俺は靴を玄関にほうり投げ、翼の居るであろうリビングへ向かった。

「翼!?」

そう呼んだ瞬間、泣きながら翼が俺に抱き着いて来た。

「つ、翼!?どした?寂しかったか?」

俺の胸に顔をうずめ、小さく頷く。

「わりぃ…今日は辛かっただろ?なのに傍にいれなくてごめんな?」

翼は首を横に大きく振り、「大丈夫…」と震える声で言う。

そんな翼の顔を両手で触れ、一粒一粒流れる涙を指ですくう。

こんな翼を見るのは何年振りだろう…?


また明日も翼を泣かせてしまうのだろうか…?


それだけは避けたい。


でも…俺にはどうする事もできない。

「ごめんな…翼…」

頭を撫でながらそう呟く。

「え…?」

翼は不安そうに俺の顔を見上げる。


やっべぇ…可愛いって…

涙で目をうるわせながら見上げる翼は何とも言えねぇほど可愛いかった。


「って、こんな時に俺、何ときめいてんだって!」

つい、また声に出して突っ込んでしまう。

それに「ぶっ」と吹き出すように笑う翼。

「やっと笑ったな」

「え?」

翼は不思議そうに俺の顔を見る。

「お前はやっぱ笑ってる方がいいわ!」

そう言って頭をポンっと叩く。翼の好きなやつだ。

案の定、翼は「へへっ」と嬉しそうで…



それがまた可愛い…ははっ俺、完璧翼に恋してんな。笑

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