絶対裏校則
俺は再び特別室に呼び出された。

翼は涼子に教室へ行くよう言われ、俺だけが呼び出されていた。

ここには麗華の姿はなく、俺と涼子の二人だけだった。

「今日、あたしが何で何も言わなかったか分かったでしょ?あんなの見たって驚くわけないじゃん。だって慶ちゃん達が一緒に住んでる事は入学する前から調べさせてもらってたから」

「なっ…」

俺は予想外の涼子の言葉で、驚きを隠せなかった。

「じゃあ…今まで知ってて知らないフリしてたのか?写真も全部お前の仕業か?こんな事していいと思ってんのか!?」

ふざけんじゃねぇ…


何の為にこんな事してんだよ…

俺の自由を何処まで奪う気だよ!?

「そんなの慶ちゃんが悪いんじゃん。最初に校則やぶるから。あの時言ったじゃん、大森さんのためなら何でもするって」

俺の言い分をよそに、涼子はケロッとして言う。

確かに…俺は間違ってたのかもしれねぇ…素直に従ってればこんな写真…

これじゃあ翼が余計に危険な目に合うだけだ…

俺はグッと拳を握った。

「もう一回だけ…チャンス、くれねぇか…?」

俺がそう言うと涼子は呆れたように答えた。

「もう、遅いわ。あの写真が貼られた以上、クラスの皆も黙っていないでしょうね。今頃、教室中は大騒ぎなんじゃない?早く行かないと大森さんが危ないかもね」

嘲笑う涼子を睨みつけ、急いで翼の居る教室へと向かった。


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