魁桜
『あっちに居ますけど…?』
そう言うと先輩は目を細めてそっちを見た。
なんなんだ?急に。
「ああ、ごめんね。あたし目が悪くてさ」
『それカラコンですよね?』
「度アリのね」
…まぁどうでもいいんだけど。
「名前聞いていい?あたし、蘭」
『稚里です』
「稚里ちゃんね。オッケー」
ふふ、と柔らかそうな笑みを浮かべてまたあたしを見た。
「また近いうちに会えると思うから。その時はよろしくね?」
『えっ?どういう―――』
あたしがそう聞く前に先輩は走り出した。