魁桜
“世界でイチバン大好きな俺のお姫様”
そう囁いて、唇に触れるだけのキスをする。
今度は、あたしが顔を真っ赤にさせる番だった。
目隠しも取られて、直視出来ない…。
そんなあたしを見て隼人はクスクスと笑う。
「行こうか。短気な総長様が待ってるからね」
「……うん」
どっちが…ズルいんだか……。
あたしにとっての“光”が、手を差し伸べる。
闇が光になる事は出来ないけれど、少しだけ…
光に染められた気がした―――…
−琴音 side end−