Grim Reaper

「おじいちゃん……」


何だかとても悲しくて、多分私は泣きそうな顔をしていたと思う。

そんな私の顔を見た祖父は、大きな手で私の頭を優しく撫で笑った。


「私のお迎えが見えたか?」


コクリと頷き、それっきり黙り込んだ私。

そんな私を膝に乗せ、祖父はこう言った。


「人はいつか死ぬ。それが遅いか早いかだ。ただな、ユキナ……」


難しい顔をして、一度言葉を切る。


「人の死に際が見えるというのは、秘密にした方がいい」

「どうして?」

「人はな、自分には見えないものが見える者を嫌うからだ」

「じゃぁ、もう誰にも言わない」


そう祖父に約束した。

私の髪を優しく撫でながら、祖父はうんうんと頷く。


「ユキナの力を理解して受け入れてくれる人が、いつかきっと現れる筈だから……」

「おじいちゃんみたいに?」

「あぁ。きっと現れる。それまで辛い事が沢山あるかもしれん。それでも、頑張るんだぞ?」

「うん」


その一週間が、祖父は逝った。

最後は、


「あぁ、婆さんに会えるなぁ」

と、幸せそうな笑顔だった。



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