初雪恋〜あの日をもう一度君と〜

後悔



――――――――――――――――――………

ん、ここ…どこ?
見慣れない天井がある。

「良かった、気が付いたんだな」

声のした方に顔を向けるとお兄ちゃんがホッとしたような顔で私を見ていた。

「…お兄ちゃん…私……」
泣きすぎたせいで声が出しづらいし、痛い。
ベッドから起き上がろうとした私をお兄ちゃんは慌てて寝かし直した。

「まだ、寝てろ」

「ここ…どこ?」

「空いてた病室を一時的に使わせてもらってる」

「そっか。でも、なんで病室に……」

「覚えてないのか?」


私はコクリと頷いた。

覚えているのは、雪君に会って…それからパニックになった私を誰か……確か、お兄ちゃんに待合室まで連れていってもらったような……そこまでは覚えているんだけど、そこで記憶は途切れている。

あれ?その後…どうしたんだっけ?

私が思い出そうと悩んでいるとお兄ちゃんが教えてくれた。

「お前、待合室に入ってすぐに倒れたんだよ。精神的なこともあるんだろうけど、随分体が冷えていたからな…。あんなになるまでお前、どこにいたんだ?」

「………。」

なんとなく、答えられなかった。
今は、雪君の話をしたくなくて。

黙っている私をみてお兄ちゃんは察したのか、「やっぱり、なんでもない」と聞くのをやめた。


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