初雪恋〜あの日をもう一度君と〜

帰り道





「結構暗いな」

校内を出ると、夕焼け空が夜空に変わっていていた。

「本当だ…。もう、7時30分だよ」

「急がないと、例の奴に会ったりでもしたらまずい」

「"例の奴"って…通り魔のこと?」

「そう、通り魔現れるの夜らしいし。今絶好の時間だしな」

「ちょっ!?本当に現れたらどうするの」

「そん時はなんとかなる」

大丈夫かな…。

「んな、心配そうな顔するなよ。大丈夫、俺が傍にいるから」

「う、うん」


びっくりした…。

雪君ってあんなに大人っぽかったけ?

不思議だね。


雪君がそう言うと本当に大丈夫な気がしてくる。

雪君が言う"大丈夫"は私を元気にしてくれる、魔法の合言葉だね。


< 38 / 81 >

この作品をシェア

pagetop